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マレーシアに分校開校:豊橋技術科学大学

記事の概要

愛知県豊橋市の豊橋技術科学大学はマレーシアのペナン島に開校した海外分校で、現地企業に学生を派遣する海外実務訓練を1月から開始する。

日本ではリゾート地として知られるペナン島だが、同地は多数の多国籍企業が進出している産業集積地でもある。今回は21人の同校の学生が参加し、日系企業や地元企業などで6週間の実務訓練を受ける。

元の記事を読む→ 【2013年12月26日:東日新聞

国費を投じた事業なのですが…

内向きとか草食系とか揶揄される最近の若者たちですが、決してみんながみんなそうではありません。チャンスさえあれば海外に出たいと思ってる若者もいくらでもいます。それを後押しする試みとして非常に良いなと思ったのですが…

今回の豊橋技科大の取り組みですが、文部科学省の「国立大学改革強化推進事業」として選定されたものであります。この大学独自の取り組みではなく、国費を投じた国の事業の一環です。

で、一体どういう事業なのか、文部科学省のサイトを見てみました。そのまま抜粋します。(出典:平成24年度 国立大学改革強化推進事業 選定事業一覧

取組内容:高専と連携した教育機能を更に深化させ,三機関の豊富な国際連携活動,地域に根ざした産学官連携の強みを活かしたキャンパスネットワークを構築し,さらに海外共同キャンパスの設置,共同教育コースの開設により,世界で活躍し,イノベーションを起こす実践的技術者育成を実現。

何のことか分かります?ま~るで具体的なイメージが湧きませんよね。これがいわゆる官僚の文法ってやつなのでしょうか。

税金の無駄遣いだ~

そこで今度は、豊橋技科大のサイトを見てみました。すると今回の事業についてこのように書かれていました。(出典:マレーシア ペナン州に海外教育拠点設置

豊橋技科大のグローバル技術者育成事業

「豊橋技術科学大学では、成長著しいアセアン地域の1つであるマレーシア ペナンにマレーシア科学大学(USM)と共同で海外教育拠点を設置し、日本人学生を「留学生」として現地に送り出し、一定期間教育を実施する事業(海外実務訓練)を強力に推進し、世界的な視野を持つグローバル技術者を育成する事業を展開しています。」

(´Д`)ハァ…、(;´д`)トホホ…、┐(´д`)┌ヤレヤレ。税金の無駄遣いやめようよ~

やろうとしてることは正しいと思います。言ってることは間違ってないでしょう。しかし、今回の訓練、期間が2ヶ月なんです。2ヶ月で無理だっ!っつうの。

どうせなら、現地に1年みっちり入り込もう

現地活動からエネルギー吸収とか言いますが、ちゃんと交流できないとそんなの無理なんですよ。それもディープな交流しないと。現地の人達はマレー語ですから、たった2ヶ月じゃ交流のための言葉すら学べません。

調べてみましたが、豊橋技科大の分校って、上に書いたマレーシア科学大学と同じペナン島の中にあります。なのに、科学大学から10キロ弱離れたところに作ってるんですよ。何考えてんだろ?

まず、留学期間は1年です。最初の半年は徹底してマレー語を勉強させる。そして次の半年で現地の企業を回ったり、現場で働いてる技術者や工員さんから話をうかがったり、現地の工場や研究所で訓練させてもらう。

それから、住むのはマレーシア科学大学の学生寮にすべきです。マレー人の学生と4人部屋だか6人部屋だかで一緒に暮らす。そういう中でこそ学ぶことや知ることがあり、本当の意味でのグローバル人材として鍛えられるのです。

でも、政府が絡むと一緒に暮らさせて問題が起きたらどうしようとか、そういうリスクカットの方ばかりに進んでしまいます。だから、政府は金だけだしてあとは大学に勝手にやらせれば良い。それも意欲的にガツガツ新しいことにチャレンジできる大学に。

せっかく良い方向性の試みなのに、本来得られる成果の10分の1も得られない内容で実に残念です。